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御都合主義を嗤う−牧口常三郎への裏切り(2)−


さて前回の続きです。牧口常三郎の『人生地理学』を紐解きつつ、『がんばれ公明党』の人々の主張と比較させて行きましょう。『がんばれ公明党』の人々は創価学会員であり、したがって創価学会の永遠の指導者である牧口常三郎の教えと比較させることは意義があります。

(1)地理教育・郷土教育、そして愛国心

牧口は、地理を真に学んだ者として吉田松陰を例にあげ、松陰が当時の観念的政論、空漠たる政論の横行する中で着実で有効なる見識を展開できたのは、その郷土を深く観察し、更には、他国を仔細に旅行して観察した結果であると見ます。身近な郷土を知らずして、世界が知ることはできないのですね。

そして牧口ならではの精神論も説かれます。牧口は、郷土教育の必要性を精神論的にも主張するのです。

牧口は、郷土が人間にとって一種不可思議な力をもっていることを

「嗚呼、この不可思議の勢力や、ただに、人間の懐郷心を刺激する吸引力たるのみならず、同時に、“男児志を立てて郷関を出ず、学業成らずんば死すともかえらず”というごとき、丈夫をして憤然起たしむる反発力たるなり。しかのみならず、かれは暗々裡に絶えず笈を他郷におうの遊士を刺激し警戒し、彼をして成功せしめずんばやまず……。人はこれによりて奮励し立身し、栄誉と幸福とを荷うて帰らんと孜々たり。すなわち知る。郷土の不可思議なる勢力は、吾人をして、他日国家的、世界的の活動をなさしむる源動力たることを。吾人が郷土におうところ、重かつ大なりと云うべし」

と指摘します。

牧口は、郷土を愛する心こそが、国家的・世界的活動の原動力なのだと宣言しているのです。郷土愛が愛国心を育むことは言うまでもありません。牧口は、地理教育は郷土から日本、亜細亜、そして世界へと学んでいくべきだと主張していますが、郷土愛は郷土から日本、亜細亜、そして世界へと広がって行くものであるはずです(必然的に、日本という郷土への愛情は、愛国心として育まれることになります)。愛国心を否定する『がんばれ公明党』の人々は、牧口に対する裏切りではないでしょうか? そして牧口の教えに従うなら、愛国心を否定する『がんばれ公明党』の人々は、国家的・世界的活動の原動力を持たないことになり、内輪で称えあうことしかできず、他者から評価されることがない人々に他ならないでしょう

(2)島国根性の克服、海洋国家日本への歩み

日本の地理的特徴は島国であり、日本人にとって島嶼と人間の関係が重要です。もちろん牧口も、日本と日本人を深く意識しながら考えています。

牧口は

「島民は、鞏固なる愛国心、はた愛郷心に富み、一朝外患の迫るに当たっては、一致団結その身を君国に捧ぐるの慨あり」

と島国人の長所をあげるとともに、

「いわゆる“島国根性”なるものこれなり。何をかいう、度量の狭隘なるにあり、自負心に富むにあり、小成に安ずるにあり、偏僻的はた孤動的なるにあり」

と同時に短所ともなることを指摘しています。そして

「島が従来とかく大陸の開化におくれし事もまた短所の一に数うべきもの、けだし未開人民に対しては、海洋は一つの交通遮断物なり。島はすなわち遮断物をもって大陸と隔離するが故に、一方に大陸擾乱以外に卓立するをうるの益ありとともに、また大陸の文明におくるるは自然の勢いなり。大陸文明におくるることは、島民の思想界の狭隘とその低度とを意味す」

と、文明が大陸の中心から外周の島国へと伝播すること指摘します。日本人として、文明の遅れに絶望的になります。

しかし牧口は、イギリスの成功例をあげて、島国は同時に海洋国であるということに注目し、海洋を征服するときは、思想界の狭隘も拡張に転じ、退嬰的な心も進取的発展的心になりうると強調します。そして島国人的特色や短所は、固定したものではなく、固定しているものと考えることは逆に間違っていると断言します。

だから牧口は、ドイツのフリードリッヒ・リストの言葉

「海洋は世界の大路なり。万国民が活動する原野なり。万国民がその実力をあらわし、その企業心を伸ばす所以の場所なり。民権もこれをもって揺籃とすべし。世界の経済もこれをもって乳母とすべし。この理を解せざるは、吾人の尽すべき分を忘るるなり。天が吾人に命じたる大業を成さざるなり。国民にして、船舶を有せざるのは、あたかも鳥にして翼を有せざるがごとく、魚にして鰭を有せざるごとく、獅子にして牙を有せざるがごとく、軍人にして武器を有せざるがごとし。実に、国民にして船舶を有せざるは、みずから他国民の奴隷となるなり」

に強く共鳴するのです。

いずれにせよ牧口は、島国人としての日本人の生きる道は、海洋国民となる以外にない、海洋国民として発展する以外にないと考えたのです 。また、それ故に、荒浜村民をふくめて、日本人の将来に、洋々たる前途を確信することができたということもできるでしょう。

ところが『がんばれ公明党』の人々は、日本人の島国根性を肯定して日本の未来を否定し、中国・韓国・北朝鮮=大陸国家を重視せよと主張しています文明論的にも、中国・韓国・北朝鮮が日本に全て教えたと主張しますまさに牧口が絶望した典型的日本人そのものであり、その立場に居続けようとするものです大陸の一偏狭国でいようとは、まさに牧口に対する裏切りです

牧口の海洋国家日本論に学ぶなら、大陸国家である中国・韓国・北朝鮮よりも、海洋国家である他のアジア諸国を重視すべきでしょう現実に、日本は輸送の90%以上を海上輸送に頼っており、太平洋を支配するアメリカとの友好は欠かせませんし、日本の生命線である中東の石油の輸送にはインドや東南アジア諸国との友好が不可欠です 。軍事学的にも、大陸国家と海洋国家は対立せざるを得ないとされており、したがって日本は海洋国家同盟を結ぶ必要があります。この意味では日中同盟よりも、日米・日印同盟の方が遥かに重要なのです。

ともあれ『がんばれ公明党』の人々の牧口に対する裏切りを思いつくままに書いてみました。『がんばれ公明党』の人々は、牧口を永遠の指導者とすることで牧口の業績を我が物とする一方で、牧口の思想を蔑ろにする御都合主義者の集団に過ぎないのです。牧口は、何故、海洋国民として生きないのかと嘆いていることでしょう。


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